こんにちは。約1週間ぶりの私です。皆様いかがお過ごしでしょうか。(花粉症つらい…)
さて、今回は前回に続いて、現在参加中の「ZEROTEN2022 -Aichi-」関連です。
一つ前の記事で書いていた通り、遠隔投票・通販のお知らせと今回の参加作品2点について解説のようなものをしたいと思います。
遠隔投票・通販用のページはこちら↓
https://www.t2y.info/artist01/13995.html
私はNo.22で参加しています。
昨年参加した龍屋さんのコンペでは写真撮影したものを作品画像として送っていましたが、今回はスキャンしたものを載せていただきました。
(写真の方がまだ原画に近い雰囲気になる場合が多いのでそうしていたのですが、今回真正面から撮ろうとすると一部色が強く出てしまって微妙だったのでやめました…。)
こちらの遠隔投票・通販用ページからは全参加作品(200点)の画像を閲覧できます。
遠隔投票にご参加いただける方は、ページ内に遠隔投票用フォームへのリンクがありますので、そちらで投票用紙を作成してギャラリーへお送りください(※今回は郵送での投票参加はできなくなったので注意)。
投票は1人4票で、それ以外は多くても少なくても無効になります。
遠隔投票用フォームは昨年のゼロテンのときにはなくて投票の準備が結構大変だったのですが、ものすごく入力がしやすくなったので、もし前回難しくて挫けたという方も是非!(実は私も前回うまくできなくて現地へ走りました…)
この投票用紙は印刷されて作家本人へ渡るようになっています。
遠隔投票時の注意事項をご確認の上、投票にご協力いただけますと参加作家一同もれなく喜びますのでよろしくお願いいたします。
ここから先は、参加作品についての簡単な解説。
今回の2作品は同じシーンを時系列で別角度から描いたものになるので、セットものと言われたらそうですが、片方だけでも簡潔したものになるようにはしたつもりです。
登場人物は私の作品に過去何回か出てくている彼女たち。
昨年のコンペでは一応オリキャラ封印してましたが、今年からは出してみることにしました(前回はっちゃけすぎたのでもう何でもアリの方向でやることにしました…)。
ちなみにこの2枚を見て、以前描いたこちらを思い出す方もいらっしゃるかもしれません。
実は今回の作品はこれのリメイク…ではないです。似てますけれど。
いきなり裏話的になりますが、正確にはこれよりも時系列的には数年前の話として描きました。
①「夕映えにつなぐ」(2022年)

夕日を受けながら並んで歩く2人の姿。高い空には飛行機雲が見えます。
2人並んで歩いているのに、飛行機雲に気づいたのは1人だけ。
1人では見えてなかったものを、一緒にいる人が教えてくれる。気づかせてくれる。
そんな光景を描きました。
飛行機雲が見えるのは進行方向の右手。
手前の方にいる彼女だけが気づいたのは、奥の彼女を気遣って彼女のいる方を見ていたからです。
制服と鞄の違いからこの2人は、年齢差はさておき少なくとも学校は違うということは何となくわかるようにしています。
学生時代は学校の違いが物理的な距離感に直結するので、仲は良く見えるけどちょっとした距離がある関係、というのが伝わればいいな…と。
相手の考えていることはよくわからないし、そもそも他人と完全に同じ視界を共有することはできません。
それでも、そばに寄り添って同じものを見たい。同じ時間を過ごしたい。
そうした思い出が、後々お互いにとってかけがえのないものになると私は思っています。
タイトルにある「夕映え」は、「夕焼け」とほぼ同義で使われている空関連の言葉です。
ただ、「夕映え」は夕焼け空自体というよりは、薄暗い光景が夕日を受けて美しく輝いている様子という意味で使われることが多いようなので、こちらの方を採用しました。
つまり、照らされたもの自体がメインになるということです。
また飛行機雲については、気持ちが変化して前向きになったり運気が上昇したりする象徴として扱われることがあるとのこと。
基本的には狙って見ることはできないことから縁起物として扱われることも多いとか。
この辺を狙って入れています。
2人で向かう方向に、今よりもいい未来があってほしい。
そんな願いを、「暗」でさえ美しく照らし輝かせる光景を共有することに託しています。
②「君のこころは」(2022年)

「夕映えにつなぐ」から数十秒後。
会話できる距離ですが、向かい合ってるわけではなく、声をかけようとしても言葉にできない思いを抱える様子を描きました。
一緒にいる相手のことを心配し、気遣っているけれど、具体的には何もできなくてやるせない気持ちになっている表情。
自分が言えたことではないかもしれない。どうやっても相手の本心はわからないし、不安にもなります。
でも、完全に1人になってしまったら、本当に助けが必要なときに動けなくなってしまう。
また、「何かしないと」、と気張ってやったことより、なんてことない些細なアクションが停滞した時間や心の動きにほんの少しの力をあげられることもあります。
心配して、寄り添う。大きく関われなくても、1人にはしない。
何ができるかわからないけど、それだけで何かが変わるかもしれない。
何もできないからって、誰かにそう言われたって、その想いを否定してほしくない。
誰かを想うということ、それ自体を諦めないでほしいな、と。
そういう思いから、この表情をあえてメインに据えることにしました。
近年のSNS文化を見ていると、ちょっとした思いを吐いた一言ですらすぐに掬い上げられて窮屈で仕方ないですよね。
実際に行動に移すかはさておき、何をどう思うかは自由だし、口だけでしかない個人の思想なんて誰にでもあるのに。
昨今の世界情勢に影響を受けた制作というわけではありませんが、ちょうど時勢に合ってしまった感は少しあります。残念な話ですが。
(私はこの名前で政治的な話をするつもりはありません)
メインは左側の彼女ですが、実は右側の彼女(「夕映えにつなぐ」では奥にいた方)の方がとにかく表情に苦戦しました。
というのも、「相手のことがわからない」を表すために、プラスにもマイナスにも受け取れるようにしたかったので…。
特に原画だとその悪戦苦闘の跡がわかりやすいと思うので、現地へ行かれる方は是非その辺もご覧いただけますと幸いです。
以上、長くなりましたが、制作の背景的なお話でした。
相変わらず個人的には、こういう解説がないとわからないようなことはわからないままでいいと思ってます。
作品を見てどう思ったかが全て。
ただ、こういうコンペだとどうしても選ばないといけないということで、作品についての情報が少しでも欲しくなる気持ちは何となくわかるようになってきたので…。
今後も、コンペの場合は一応作品解説を入れていくことにしました。
(普段の展示活動については多分基本的にやりません)(聞かれたら答えます)
何はともあれ、今回も大人数のコンペで見応えがあります。
是非、楽しんでいただければ幸いです。
それでは今回はこの辺で。ありがとうございました。